🌌 『太極図説』とは?宇宙と人間をつなぐ哲学の原点

こんにちは、Academia Magia Kasumi 校長のかすみです。
今日は、東洋思想の中でもとても重要な書物『太極図説(たいきょくずせつ)』をご紹介します。

これは北宋時代の思想家・周敦頤(しゅうとんい/1017–1073)が1070年に著した、わずか250字ほどの短い哲学文ですが、そこには 宇宙の生成・陰陽・五行・人の在り方 が凝縮されています。
のちに朱子学へと受け継がれ、中国だけでなく日本・朝鮮の思想にも大きな影響を与えました。


🌀 宇宙生成の流れ(無極 → 太極 → 陰陽 → 五行 → 万物)

周敦頤は、宇宙の始まりをこのように説きました。

  1. 無極(むきょく)
     形なき無限の可能性。まだ何も現れていない混沌の状態。

  2. 太極(たいきょく)
     無極から生じた「源の原理」。ここに陰と陽が内包される。

  3. 陰陽(いんよう)
     太極が動けば「陽」、静まれば「陰」となる。
     一動一静、互いに根となり、循環を生む。

  4. 五行(水・火・木・金・土)
     陰陽の交わりから五つのエネルギーが現れ、四季・気候・自然界を形成する。

  5. 万物生成
     男女の結びにより、無限の生命が生み出され、宇宙の変化は尽きることがない。

 


📖 『太極図説』原文と書き下し

原文(白文)

 

無極而太極。

 

太極動而生陽,動極而靜,靜而生陰。

 

靜極復動,一動一靜,互為其根。

 

分陰分陽,兩儀立焉。

 

陽變陰合,而生水火木金土。

 

五氣順布,四時行焉。

 

五行一陰陽之偏勝,而生寒暑燥濕。

 

凡此皆太極之一動一靜之所以為變化也。

 

男女合德,而化生萬物。

 

萬物生生,而變化無窮焉。

 

唯人也得其秀而最靈。

 

形既生矣,神發知矣。

 

五性感動,而善惡分矣。

 

萬物皆備於我。

 

反身以誠,樂莫大焉。

 

聖人定之以中正仁義,而主靜。

 

立人極焉。

 

日本語書き下し

  • 無極にして太極あり。

  • 太極動きて陽を生じ、動き極まって静となり、静にして陰を生ず。

  • 静極まってまた動く。一動一静、互いにその根となる。

  • 陰を分かち陽を分かち、両儀ここに立つ。

  • 陽変じ陰合して、水火木金土を生ず。

  • 五気順に布かれて、四時ここに行わる。

  • 五行は陰陽の偏勝によりて、寒暑燥湿を生ず。

  • これらはすべて太極の一動一静によって変化する。

  • 男女徳を合わせて万物を化生す。

  • 万物は生々として変化尽きることなし。

  • ただ人のみその秀を得て最も霊なり。

  • 形既に生ずれば、神発して知あり。

  • 五性感動して善悪分かる。

  • 万物皆われに備わる。

  • 身に反りて誠をもってすれば、楽しみこれより大なるはなし。

  • 聖人はこれを中正仁義に定め、静を主とす。

  • 人極ここに立つ。

 


ここから学べること

  • 宇宙は「無」から始まり、動と静(陰と陽)の循環によって変化を続けている。

  • 人間はその縮図であり、善悪・感情を持つ存在として「最も霊性の高い存在」である。

  • 誠をもって己に立ち返ることで、最大の喜びを得られる。

  • 聖人は「仁義・中庸・静」をもって人間社会を安定させる。

 

 


🏰 魔法学校とのつながり

『太極図説』が語るのは
「無限の可能性から未来を描き出す」宇宙のシステム

これはまさに、私たちが魔法学校で行っている
「思考の地図」や「潜在意識の書き換え」と同じ流れです。

無極(可能性) → 太極(源) → 陰陽(二元性) → 五行(多様性) → 万物(現実)
という生成の流れは、未来を設計する際の地図そのもの。

あなたの中にすでに備わっている宇宙の叡智を、
現実の行動へとつなげていくことが「現代の魔法」なのです。


✨ まとめ

『太極図説』は、宇宙の成り立ちと人間の生き方を わずか250字 で表した究極の哲学。
読み解けば、未来をどう描き、どう行動するかの指針が見えてきます。

次回は──「太極」からさらに広がる 陰陽五行の世界観 を、
魔法学校の学びと重ねながら解説していきますね。

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